1年単位の変形労働時間制を導入するにあたり、今後どのような流れで進めていけばよいでしょうか。
ご教示よろしくお願いいたします。

お世話になっております。

1年単位の変形労働時間制の導入する場合の、今後の進め方につきましてご説明いたします。

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1.制度導入の全体的な流れ

まず、制度導入にあたっては、以下のステップを踏むことが一般的です。

  1. 業務の繁閑の把握と分析
    年間を通じた業務量の変動を把握し、繁忙期と閑散期を明確にします。これにより、労働時間の配分計画を立てやすくなります。
  2. 対象期間の設定
    変形労働時間制の対象期間は、1か月を超え1年以内で設定します。仮に4月から導入する場合、「令和○年4月1日から1年間」を対象期間とすることが一般的です。
  3. 労働日および休日の設定
    対象期間内の労働日と休日を年間カレンダーなどで具体的に定めます。1年単位の変形労働時間制の導入する場合、連続労働日数は原則として6日までです。また、1日の労働時間は最大10時間、1週間の労働時間は最大52時間とすることが可能ですが、週の労働時間が48時間を超える週は連続して3週までとする必要があります。
  4. 特定期間の設定(必要に応じて)
    繁忙期など、特に業務量が多い期間を「特定期間」として設定することができます。特定期間を定めることで、通常よりも連続労働日数を長く(最大12日まで)することが可能になります。
  5. 労使協定の締結と届出
    上記の内容を踏まえ、労使協定を締結し、所轄の労働基準監督署に届出を行います。
  6. 就業規則への明記と従業員への周知
    制度の内容を就業規則に明記し、従業員に対して周知を図ります。

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2.記載例と留意事項

労使協定や就業規則への具体的な記載例、ならびに留意事項については、厚生労働省が提供する以下の資料が参考になります。

▼1年単位の変形労働時間制に関する協定届の記入例と留意事項
https://jsite.mhlw.go.jp/yamaguchi-roudoukyoku/content/contents/001862458.pdf

▼1年単位の変形労働時間制導入の手引
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000501874.pdf

この資料には、協定届の記入例や、制度導入時の注意点が詳しく解説されていますので、ご確認いただければと存じます。

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制度の導入に際して、ご不明な点やご相談がございましたら、いつでもお気軽にお申し付けください。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

1年変形を導入する企業が押さえておきたい「実務運用のポイント」

1年単位の変形労働時間制は、制度そのものを整えるだけでなく、導入後の“運用”が非常に重要です。
制度を形だけ整えても、現場の管理が追いつかないと、長時間労働の発生や割増賃金の支払い漏れにつながる恐れがあります。
特に注意したいのは「時間外労働」の扱いです。
1年単位の変形労働時間制では、時間外労働の考え方が「日・週・年」の3つの基準で決まっています。

まず1日の基準ですが、1日8時間を超えるシフトを組んでいる場合は、そのシフト時間を超えた分が時間外労働となります。
一方で、1日8時間以内のシフトであれば、8時間を超えた分が時間外扱いになります。

次に1週間の基準です。
週40時間を超えるシフトが組まれている場合は、そのシフト時間を超えたところから時間外となります。
逆に、週40時間以内のシフトの場合は、40時間を超えた分が時間外扱いになります。

最後に、1年単位の変形労働時間制の場合は、1年間の基準があります。
1年は約52.14週のため
52.14週×40時間≒2,085時間(うるう年は約2,091時間)
この年間総労働時間を超えた分は、時間外労働として取り扱われます。

さらに、従業員への説明と記録の保管も重要です。
制度を理解していない状態でシフトが組まれると、「なぜ今週は長いのか」「休日が少ないのでは」といった不満につながることがあります。
導入時に説明会を行い、年間カレンダーや変形期間の考え方を明確に共有しておくと、後々のトラブルを防ぐことができます。

このように、1年単位の変形労働時間制は“導入して終わり”ではなく、計画的な労働時間管理と従業員への丁寧な説明が運用のカギとなります。
制度を上手に活用することで、繁閑に合わせた柔軟な働き方を目指してみてください。

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